「テグー」と検索すると勝手に「デグー」と変換されてしまう・・・。(テグー飼育あるある。)
2021年10月24日からニュースになっている岡山で脱走したとされる爬虫類は「テグー(アルゼンチンブラック&ホワイトテグー)」です。
デグーは小動物で、こちらもハムスターやウサギに比べれば知名度は低いものの、爬虫類のテグーよりはネット上の情報は多いようですね。(↓こっちがデグー。かわいい)
さてさて今回は岡山の脱走事件から、個人的に爬虫類・テグーの脱走について考えたいと思います。
これは今回の脱走騒動そのものをどうこういうものではありません。
ただそこから考えたり思ったりしたことをつらつら書いた、あくまで個人的な考察ですのであしからず(。-人-。)
岡山のテグー脱走からいろいろ考えたこと
爬虫類飼育数の増加と最近よく目につく爬虫類脱走ニュース
世界的な感染症でのステイホームの流れで、2020年~2021年にはペットの飼育数が増えたようで、同時に爬虫類の飼育数も増えたように思います。
私自身も2020年から飼育を始めたのでそれまでのことを語ることはできませんが、特に2021年は爬虫類の脱走のニュースはよく目に留まったと記憶しています。
フトアゴヒゲトカゲ、サバンナモニター、アミメニシキヘビ・・・。
脱走した子たちがこの2年ほどで飼育され始めたのか、その前から飼育されているのかはわかりませんが、母数が増えると、相対的に起きる事件・事故も増えるものです。
また「よく目に留まった」といっても、私自身がリアルタイムで見ていた脱走・捕獲ニュースでいえば5件ほどじゃないかと思います。
爬虫類飼育をしているとそういうニュースにも興味を持つようになったので印象に残っていますが、実際はそんなにめちゃくちゃ多いわけではありません。
犬や猫、鳥が逃げてもニュースになりませんが、やはり珍しい生き物が脱走するとニュースになりますしね。
にゃんこといえば2020年だとサーバルキャットも脱走していましたが、これはさすがにニュースになるキャットでした。
爬虫類が脱走すると巻き起こる議論
爬虫類の脱走騒動が起きると、爬虫類飼育そのものが根っこから否定されたりすることもあり、飼育者としては悲しいものです。
とはいえ、脱走だけの話ではなく「うっかりミス」が大きな事故や事件を誘発する可能性は、飼育者、非飼育者に限らず誰にでもあることです。
交通事故、泥棒に入られた、スマホや財布を盗まれた、火の不始末によるボヤ、事件・事故にならなくても個人としてはやっかいなトラブルになるようなことなどなど、そういったものは日常にたくさん潜んでいます。
今回のようなニュースがあると、「爬虫類」「脱走」というキーワードから方々から本質からズレた上げ足をとる議論が起こりがちです。
脱走は爬虫類に限ったことではありませんし、爬虫類以外でもペットの中には多くの海外原産の種が居ます。(私自身飼育者ではあるものの「ペットという存在が不自然だ」という意見には賛同する部分もありますがこの点については個人的に答えはでていません。)
明日は我が身と、全ての人が気を引き締めるべきだと思いますし、わたし自身も一層気を引き締めました。
今回のヤフーニュースでも不適切なコメントが多かったのかなんなのか、コメント欄が閉鎖されていました。(実際どういったコメントが多かったのは定かではありませんが・・・。)
体感型動物園iZoo(イズー)の園長・白輪剛史氏も情報をツイートしています
アミメニシキヘビの脱走騒動で活躍した、体感型動物園iZoo(イズー)の園長・白輪剛史氏も、テグーがどういったところに居そうかTwitterに投稿しておられます。
岡山にお住まいで遭遇を回避したい方は、白輪剛史氏のツイートをチェックして、そういう場所に近づかないようにしたほうが良いかと思います。
岡山でアルゼンチンテグーとフトアゴヒゲトカゲの逸走事案が発生したとのこと。
2頭同時に逃げらたようです。危険性を過度に煽らない報道と速やかな捕獲を願っています。
どちらも耐寒力がありますが、寒くなる前に発見して欲しいですね。#爬虫類 #逸走 #トカゲ
— 白輪剛史 (@shirawatsuyoshi) October 24, 2021
アルゼンチンテグーは昼行性のトカゲです。
夜間は物陰に潜んだり、地中に潜ります。
午前中、日光浴をしてから、餌を求めて徘徊します。逃走場所から数百メートル以内の物陰や落ち葉が堆積している付近で日光浴をしている姿を見つけられれば。#岡山 #トカゲ #逸走
— 白輪剛史 (@shirawatsuyoshi) October 24, 2021
脱走したテグーはどんなところでどうしているか
個人的には、この時期は寒くて、活性も落ちてきており、24日~25日は曇り空や雨もあり、そんなにシャキシャキ動いていないように思います。
うちの子も室内飼育だからこそ秋も冬も元気に動き回りますが、寒くなると冬眠させている人もいるくらいなので、眠たそうな顔をしてのっそりすごしているかもしれません。
ソファと壁の狭い隙間に入ったり、毛布や敷物の下に入り込んで休むのを好むので、そういった場所にいるように思います。
ある程度の寒さにも強いようにも感じていますが、寒くなってくると、テグー自身の体調も心配になりますね。
去年は寒くなってきたころにうちのテグーがお腹を壊してしまいました。
爬虫類は体内に寄生虫がいるものですが、ちょっとした体調の変化で、常在している寄生虫の数のバランスが崩れてそれが次の体調不良を引き起こしてしまうこともあるように思います。
下痢をしていたら脱水を起こしてしまうかもしれませんし、元気なときでもよく水を飲むので、喉が渇いているかもしれません。
元気なうちに早くみつかるといいですね。
テグーに近づくと危険?
テグーといっても種類が複数います。
今回ニュースになっているアルゼンチンブラック&ホワイトテグーは、小さい頃はやんちゃでよく動きますが、飼育下の子で1メートルくらいまで育っていて、ましてや部屋で放し飼いできるほどの子ということなので、性格も穏やかで人にしっかり慣れているのではないかと推察します。
また、寒くなると動きが鈍くなりますので、テンションも低く、のっそりのっそり過ごしているように思います。
とはいえ、生き物のことなので絶対はありません。
運よく天気が良くて身体をあっためることができたり、なにかの機械の傍で寝そべって身体をあっためたりすると、活性が上がってごはんを探すようになるかもしれないので注意は必要です。
飼育下のテグーがめちゃくちゃ危険とは言いませんが(個体の性格にもよりますが)、人間が不用意に珍しい大きなトカゲに近づいたりすると、当然危険です。
テグーからしたらよくわからず近づいてくる生き物は怖いはずですので、自衛のための攻撃をしてくるかもしれません。(なので怖がらせてあげないでね。)
姿を見つけたら距離を置いてその場で警察に連絡して場所を知らせるのがベストです。
珍しい生き物だ!ニュースになってる生き物だ!と、動画を撮ろうとしてスマホを構えて手を近づけたりするのはかなりの悪手です。
自分からやられにいって「ぐあぁ~!やられたぁ!こいつは危険だ!」というのは違いますよね。
「爬虫類だから危険」はちょっと違う
テグーに限らず、爬虫類が逃げるといろんな意見が飛び交います。
意見は人それぞれなので、意見を持つことへの否定はしませんが、それをわざわざネットに書き込んだりするのは‥‥‥。
ネットに書き込むのは自由ではありますが、部屋の中で独り言を言うのとはまったく違います。
「爬虫類なんて気持ち悪いものなんで飼うやつはどーたらこーたら」みたいなものも見かけたりしますし、「爬虫類は危険」という前提があたりまえのような意見も見ます。
レア度で言えば犬や猫より遥かに飼育数自体少ないですし、その中での脱走事件は珍しいという話になるので、ニュースになって騒がれるのはわかります。
しかし、「爬虫類だから危険」というのが当然基本的な認識である、みたいなのはちょっと違うように思います。
もちろん、よく知らない生き物に対し警戒心を持つことは大事です。
「良く知らないなら警戒しないで!」と言いたいのではなく、「良く知らないなら何か意見を言う前に調べてみて」です。
勝手に「毒がある」と思いこまれていたり、「鋭い牙がある」と思われていたりしますが、だいたいの飼育下の爬虫類は毒はないですし、漫画に出てくるようなドラゴンに生えてるような牙というほどの牙もありません。
ちなみにテグーにも毒はありません。
人によっては「噛みますか?」とか「毒はありますか?」と聞かれること自体不快に思う飼育者さんもいるようなので、安易に誰かれかまわず聞かずに、ネット検索したほうが無難かもしれません。
個人的には知ろうとして質問してくれているのであれば別に不快な質問ではないように思います。知らない生き物が毒を持っているか、好戦的か、は当然気になることではあるようにおもうからです。
歯については、犬のほうがよほど立派な歯があるように思います。
とはいえ、あごの力がなかなか強いので、もちろん噛まれたら結構な怪我をしますし、ちゃんと歯もあるので立派な歯形が付きます。
噛まれないようにしましょう。
テグーは噛みついてくる?
テグーに関しても、うちの子を見ている限りではほぼ餌を丸のみしますので、自分の数倍はある大型の動物(人間)を餌として狙うことはよほど空腹でないかぎり、ないのではないかと思います。
とはいえ、自分が襲われると思えば自衛のために攻撃はしてくるでしょう。(これはどの生き物でも大抵そうでしょうけれど)
また、スマホをかまえた場合、スマホを持つ指の部分が小動物にみえてしまう可能性があるので、それを捕食しようとする可能性はあります。(この場合は近づいて撮影しようとする人間側がもうちょっと考えて行動するべきかな)
岡山のテグー脱走のニュース記事
■ 体長1mのトカゲ逃げたか、岡山 女性が市内のアパートで飼育

■ 飼い主の女性が部屋で放し飼い、体長1mのトカゲ逃げ出す…鋭い歯を持つため要注意

「岡山のテグーの脱走について考える」まとめ
いろいろ考えてみましたが、脱走というもの自体の根本は誰でも起こしうる「うっかりミス」ではないかと思います。
飼育していない人は当然「脱走」というミスは起こしませんが、「うっかりミスによる事故の誘発」は誰にでも起こり得ます。
飼育者、非飼育者に限らず、鍵をかけ忘れたら泥棒が入るかもしれない、車に乗れば人身事故を起こすかもしれない、財布を鞄の上の方に入れたら落としたり盗まれたりするかもしれない。
「うっかりミスによる事故の誘発」は日常の中にたくさん潜んでいます。
脱走させた人を許す・許さんではなく、「自分も気を付けないとなぁ」で良いのではないでしょうか。
「明日は我が身」と思い、私自身も脱走には一層気を付けたいと思います。
テグーが元気に保護させることを祈ります(。-人-。)