今回はヒョウモントカゲモドキとニシアフリカトカゲモドキ、2種類のトカゲモドキの違いについて紹介の後編となります。
前回は、実際に生息している地域付近の気候について紹介しましたが、今回は「モルフ数・繁殖のしやすさ・見た目の違い・飼育のしやすさ」などについて紹介したいと思います。
【前回の記事】レオパとニシアフの生息環境の違いに関する記事はこちら!
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レオパードゲッコーとニシアフリカトカゲモドキの違い【モルフ数・繁殖のしやすさ・見た目の違い・飼育のしやすさ】
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モルフの多さ
レオパは人による繁殖が盛んに行われています、ブリーダーさんによる、より変わった模様、より綺麗な色が出るよう考えられた掛け合わせが盛んに行われており、結果、モルフも多くあります。
そうした人の手によって繁殖された個体をCB個体といいます。
流通しているレオパも、ほとんどがCB個体と思っていいかと思います。
一方のニシアフは、繁殖自体がレオパより少し難しいらしく、生まれてくる卵の数もレオパより少し少ない傾向にあるようで、人による繁殖も行われていますが、モルフの数はレオパほどは今のところ多くはありません。
また、しばしば野生下で暮らしていた個体を採取し流通させている個体もいます。この個体をワイルド個体(WC個体)といいます。
最近、ニシアフの人気が急速に高まっているようですので、CB個体もこれからより増えると思いますので、モルフも増えてくるかもしれません。
見た目の違い
続いて、見た目の違いについてです。
順番に身体の部位を見ていきましょう。
目
レオパ
ニシアフ
まずは目の形や大きさ、色です。
個体による差はありますが、あえてレオパとニシアフで種類で一概にいうと、レオパは目の色も個体によってさまざまで、大きく成長するにつれ、シュッとしたのあるクールな感じの目になってきますが、ニシアフは大きくくりくりした黒目をしています。
また、ニシアフは目のフチの瞼のぶぶんがほとんどのモルフで白いのも特徴といえるでしょう。
耳孔
レオパ
ニシアフ
レオパの耳の穴は大きくわかりやすく空いているのに対し、ニシアフの耳はわりと小さく、真横から見ないとちょっとわかりにくいです。
指
レオパ
ニシアフ
レオパの指は細く長いですが、ニシアフは四肢が大人になってもやや短く、手もあかちゃんのようにちんまりした感じで指もレオパに比べて短めです。
しっぽ
レオパ
ニシアフ
レオパの方が、太くなってきたなと思っても、ニシアフと比べるとまだ細長い印象かと思います。
ニシアフのしっぽはやや短い感じで、その分丸みを帯びやすい気がします。
皮膚
レオパ
ニシアフ
レオパの皮膚は少し硬く、皮膚のぽつぽつしたものの凸凹感も割とはっきりしていますが、ニシアフのほうでは肌がしっとりとふわふわした感じで柔らかさがあります。
性格・行動
性格や行動についてですが、この部分はいよいよ個体差が出てくる部分になるかと思います。
あくまで、飼育の参考として知っておくべきかとはおもいますが、
あまり思い込み過ぎるのもよくないので、飼育しながら柔軟に個体に合わせていけばいいかとおもいます。
レオパもニシアフも夜行性の爬虫類なので、どちらも、慣れない環境などでは臆病になりがちで引きこもりがちになります。
その点を別として、あえてそれぞれ一概にいいますと、レオパは慣れてくると、高い所に登ったり、ケージから出たがるそぶりをしたりとわりと活発に活動する姿がみえるようになります。
一方のニシアフについてですが、レオパと比べて臆病・おっとり・大人しいと言われています。
わたしが飼育しているニシアフは1匹なので、他のニシアフ飼育者さんのSNSなども併せて考えると、飼育して数か月経ってもシェルターにこもりがちな子もレオパと比較すると多いかとおもいます。
また、うちの子がそうなんですが、頻繁ではないんですが手を近づけたときに威嚇だと思うんですが、ギャッと鳴いて飛びついてきます。
他の飼育者さんでもこういう子がいるというのを何度か目にしたことがありますので、あんまり干渉されたくない子もちらほらいるのかなとおもいます。(もちろんレオパでもこういう子はいるとは思います)
また、ニシアフは高い所に登るよりかは、手足が短いこともあるかもしれませんが、地面を這って下へ下へと入っていく感じな気がします。
うちの場合、レオパだとだいたいひと月くらいでは外に出たがるそぶりをして、ハンドリングも出来るようになるんですが、ニシアフの子は、お迎えして半年がたちますが、実は掃除などを除いて、まだハンドリングのためのハンドリングはしたことがありません。
食べる量
ニシアフの方が、レオパより食べると言われています。
しかし、実際、一飼育者としてわたしが感じているところでの話となりますが、レオパも健康な個体ならなんだかんだでもりもり食べますので、比べるとそこまでとんでもなく2倍3倍と、大きな差があるわけではないように感じます。
若干、ニシアフのほうがよく食べると言われています。
雌雄割合
続いて雌雄の割合です。
レオパの雌雄の割合は温度依存性決定ということで、卵をふ化させる温度帯によって生まれる雄・雌がだいたい決定されるということで、人工的な繁殖がすでに盛んなレオパについては、そこまで雄雌の数に極端な差はないのかなと思います。
一方のニシアフについても、生まれてくる雌雄はレオパと同じく孵化させる温度に依存するとされていますが、現状ではオスの割合が極端に少ないとされています。
レオパとニシアフ、どちらが飼育しやすいのか
最後に、結局どちらが飼育しやすいのかという点です。
実際、ちゃんと飼育環境を用意し、適温や湿度を維持する前提であれば、飼育のしやすさはそこまで大差がないように思います。
初心者さんであれば、レオパにしろニシアフにしろ、ベビーではなく生後4、5か月経っていて、餌食いにも問題がない健康な子をお迎えすれば、そこまで飼育は難しくないと思います。
ただし最初のほうで紹介したとおり、レオパのほうが温度差などの環境面で過酷な環境で生きている分、健康個体なら適応できる温度の幅もおおきく、一方のニシアフは一貫して28度くらいをベースとして維持できる環境が必要となります。
また、ハンドリングや活動の観察を期待するのであれば、環境にも慣れやすく、慣れれば活発に動くレオパがお勧めであり、引きこもりがちで寝そべってることがおおいニシアフにそういったことを期待すると、飼育者さんも残念な気持ちになるかもしれません。
1匹目に対する期待というのはどうしても大きくなってしまいますので、「ああしたい」「こうした」という期待がある場合は、1匹目としてはレオパを飼育して、心に余裕がでてからニシアフを飼育したほうがいいかとおもいます。
環境への慣れは、レオパよりニシアフのほうが時間がかかるような気がしますので、温度の維持、とそうした生体への気配りという部分ではニシアフのほうが
少し神経を使うかもしれません。
飼育者さんが何を期待するのか、なども関わってくる部分かと思いますので、そのあたりのことを考えたうえでどちらにするか考えると良いかと思います。