爬虫類を飼育し始めてからSNSなどにうちの子の写真をアップしたりしていますと、ありがたいことに「飼育したいなぁ」というお言葉もいただけます。
しかし「では飼育を・・・」という話になると、みんながみんなすぐにお迎えできるわけでもなく、いろんな障壁がある場合もあります。
その中の一つが「餌」です。
「爬虫類飼育したいけれど…」という言葉の次に続く言葉の多くが「昆虫食べるんでしょう?」というもの。
確かにレオパは昆虫を食べますが、必ずしも生きた昆虫を与えないといけないというわけではありません。
この数年で「人工フード」という、加工食品も多く販売されるようになり、種類もいろいろと出てきました。
今回は、そんなレオパ向けの人工フードを紹介したいと思います。
レオパードゲッコーは何を餌に与えればいい?おすすめ人工フード紹介[ヒョウモントカゲモドキ]
レオパードゲッコーは何を食べるのか
まずはじめに、レオパは何を食べるのかということについてですが、ざっくり言うと昆虫と小動物を食べます。
ここから、飼育下で与える餌の選択肢は大きくふたつに分かれることになります。
1つが昆虫や小動物をそのまま生きた状態、もしくは乾燥した状態、冷凍した状態を解凍したものをあたえるという選択肢です。
飼育下で与える生きた昆虫のメジャーなところでは、
- コオロギ(ヨーロッパイエコオロギ・フタホシコオロギ)
- デュビア
- レッドローチ
- ミルワーム
- ハニーワーム
- シルクワーム
小動物で言えば、
となります。(栄養価が高すぎるのでピンクマウスを主食として与えることはありません。与えるのは余程滋養を付けたい時くらいです。)
活餌については、決してこれらしか食べないというわけではありません。
上記は爬虫類の飼育用の餌として流通しているもののメジャーなものがこれらとなりますので比較的入手もしやすいです。
店舗によりけりではありますが、ホームセンターで売られている場合もあります。
もう1つの選択肢が人工フードです。
レオパ向けの人工フードは昆虫を主原料としたもので、多くの商品はそこに栄養成分がプラスされています。
商品名に「レオパ」という言葉が入っていることが多いですが、メジャーな生き物なのでそのような名前が付いているだけで昆虫食の他の爬虫類にも使用できます。
例えばニシアフ、ハイナン、フトアゴ(特に幼体期)、ミリィにも与えることができます。(人工フードへの餌付けのしやすさは別として。)
昆虫が苦手でも、加工食品となっていれば大丈夫という人も多いので、そういった方々にとっては心強い味方となってくれます。
人工フードのメリット
人工フードのメリットについて、わたしが個人的に思うのは以下の通り。
実際には商品によっても違ったりするので一概に言えない部分もあるかと思いますので、個別には後ほど紹介していきたいと思います。
人工フードのメリット
- 長期保存可能
- 手軽
- 昆虫を飼育しなくてよい
- 虫が苦手でも給餌ができる
- 栄養価が入っている(商品に依るので要確認)
長期保存可能
人工フードは種類がいくつかありますが、特に乾燥したペレット状のもの(与えるときには水でふやかす)などは長期的に保存が可能です。
災害時などの備えとして常備しておいても良いと思います。
手軽
人工フードは水でふやかして与えるものや、チューブから出してそのまま与えることができるものなど、種類によって与え方は様々ですが、複雑な工程が必要なわけではないので手軽に与えることができます。
昆虫を飼育しなくていい
人工フードのメリットの一番大きいのがこれです。
昆虫を飼育しなくていいということは、生きた昆虫が苦手な人でも給餌ができますし、そもそも昆虫の飼育というのも常に元気で生きた状態にしておかなくてはいけないので掃除も必要だし、スペースも必要だし、餌も必要だし、水分も必要だし・・・と、手間が必要になってきます。
ダニやコバエの発生も心配です。
コオロギに至ってはオスの鳴き声がなかなかのものなので、その辺も昆虫の飼育のネックとなりますが、人工フードを使うのであればそういった懸念からは解放されます。
虫が苦手でも給餌できる。
これは先ほどの昆虫を飼育しなくていいというのと被る部分ではありますが、人工フードがまず選ばれる一番の理由がこれだと思います。
わたし自身も、飼育開始当初は虫が本当に苦手で唯一テントウムシが触れるレベルだったのですが、人工フードという選択肢があったからこそレオパを飼育し始めました。
栄養が入っている(商品に依るので要確認)
栄養がすでに商品に入っているというのも人工フードのメリットの一つ。
「活餌を与えるのが自然で良い」と思うかもしれませんが、実際には飼育下で与える昆虫は栄養バランスが悪く、例えばカルシウムの吸収を阻害するリンの割合が多かったりと、栄養面では必ずしも優秀ではありません。
そのため、活餌を与える際には、別途カルシウムパウダーやマルチビタミンなどのサプリメントの粉を添加する必要があります。
その点、基本的には人工フードには最初から栄養素が入っているため、別途それらを添加する必要はありません。
ただし、コオロギ粉末ほぼ100%のレオバイトについては別途添加が必要です。
人工フードのデメリット
- 人工フードに慣れるかは生体次第
- 栄養過多になりやすい
- 練り餌はちょっと面倒
- 拒食などをした場合には生きた昆虫を与える必要もある。
人工フードに慣れるかは生体次第
必ずしも全ての生体が人工フードを食べるとは限りません。
基本的には人工フードをピンセットで挟んでフリフリと動かして(昆虫と思わせる)興味を持ってもらい食いつかせるのですが、人間を警戒していたりすると食べないこともあります。
この点については、事前に人工フードに慣れているかをショップさんに確認してお迎えすると人工フードを食べる確率もぐんと上がると思います。
栄養過多になりやすい
例えば後に紹介するレオパドライだと「一粒でMサイズコオロギ約2.5匹分のカロリーに相当」と謳われているように、1粒にしっかり栄養もカロリーも入っています。
その為、例えばコオロギ1匹と人工フード1粒が見た目で同じ大きさだとしても、コオロギを食べるときと同じ量の人工フードを食べさせてしまうと、相当な栄養量になってしまいます。
幼体の頃はほとんど毎日食べるだけ食べさせて出来るだけ早く大きく成長させ、大人になると給餌間隔をあけていくものですが、「餌くれ~!っていうからついついあげちゃう」なんていうことをしてしまうとぷくぷくの肥満体型になりやすくなります。(もちろん生きた昆虫でも食べたいだけ食べさせると肥満になります。)
練り餌はちょっと面倒
人工フードの中でも個人的にちょっと面倒なのが練り餌です。
練り餌は、水でふやかすのとはまた違って、粉末状のものに水を加え、形を作って与えるというもの。
やり方はいろいろあるかもしれませんが、基本的には手が汚れて匂いがしっかり手に付いてしまうのがネック。
透明の手袋など使えば回避できるといえばできますが、手袋を使うと個人的にはちょっと練りにくくなるように感じました。
手に付けたくないけど練り餌を使いたいという場合は、割りばしなどの棒状のもので巧みに練るスキルを付けたほうがよさそうです。
感じ方は人それぞれなので一度はいろんなタイプの人工フードを試してみても良いと思います。
拒食などをした場合には生きた昆虫を与える必要もある。
レオパ飼育で高頻度とは言わないまでも、悩むことの多いのが「拒食」です。
拒食とは「餌を食べなくなること」です。
人工フードを与えていて、今まで食べていたのに突然食べなくなる、ということがあります。
爬虫類は成長度合いにもよりますが、しばらく食べなくても生きることはできるので、焦らずいろんなフードを試してみると良いかと思いますが、いろんな人工フードを試してみても何も食いつかないとなると、最終的には活餌を与えることになります。
「人工フードがあるから大丈夫!」とはいうものの、生きた昆虫を与えることになる可能性はあることはある程度覚悟しておいたほうが良いかと思います。
レオパの人工フードの紹介
どの人工フードが良い?と聞かれたらなかなか困る質問で、個人的にはいろんな種類を買って順番に与えるのが一番良いのではないかと思います。
理由は単純で、人工フードによって使用されている昆虫が違うためです。
わたしたちもどんなに美味しいものだって毎回同じだとちょっと飽きてきますよね。
せっかく飼育するのだから、飼育している子たちにもいろんな味を体験してもらい、食の楽しみを与えてあげるのもこの子たちの幸福につながるのではないかと思います。
それでは、人工フードを順番に紹介していきましょう。
(※新しい商品を見つけたりしたタイミングで時々追加したりします。)
レオパドライ
株式会社キョーリンから出ている飼育ブランドHikariの製品。
固形のペレット状のフードで、都度、水でふやかして与えます。
主原料はミルワーム。
栄養成分が入っているので別途ダスティング不要。
一粒でMサイズコオロギ約2.5匹分のカロリーに相当するとのことです。
レオパドライの独自メリットとしては、機能性善玉菌“ひかり菌”が入っており、ひかり菌が生きたまま生体の腸に届くことで腸内環境を保つことです。
それによって排泄物のニオイが抑えられるとのことです。
与え方は3分ほど水にふやかして柔らかくなったところでピンセットでつまみ、生体の前で動かして食いつかせます。
ふやかし過ぎるとピンセットでつまんだ時に崩れてしまうので注意。
レオパゲル
レオパドライ同様、株式会社キョーリンから出ている飼育ブランドHikariの製品です。
成分等はレオパドライと同じで、こちらはやわらかいゲルをチューブから出して与える製品。
ミルワーム・シルクワームを配合した嗜好性の強い製品です。
レトルト殺菌済みとのことで病原菌や寄生虫を含まず、合成保存料も使用していないという点でも、大切な生体に食べさせるのに安心できます。
開封後は冷蔵保存です。
最初の内は加工食品であっても冷蔵庫にいれるのに抵抗がある人がいるかもしれません。
この辺は慣れですね。
冷蔵庫からだしたばかりの時はちょっとヒンヤリしていたりもしますので、常温にもどしてから与えるのが良いと思います。
レオパブレンド
ジェックスから出ている人工フード。
主原料はアメリカミズアブ幼虫で昆虫主体(原材料中47%)となっています。
こちらも先述の他社製品レオパドライと同じく固形ペレット状で水にふやかして与えます。
「長期給餌試験を実施し、本製品だけで健康に育つことを獣医師により確認済み。(獣医師推奨)」とのことです。(公式HPより)
レプタイルピューレ
マルカンが展開する爬虫類飼育ブランド「Repsi」の商品。
よく「爬虫類のチュール」とも言われています。(ただし実際の「チュール」はいなばペットフードの商品なので、こちらはチュールの関連商品ではないです。)
主原料はミルワーム。
カルシウムを配合しており、合成着色料・香料不使用となっています。
この製品の特長としては、スティックから直接与えることができるという点です。
あくまで個人的な感想ですが、実際には手で切った際にの切り口で口を怪我しないか心配に感じる部分がありましたので、飼い主さまのほうで実際に切り口を確認してから、そのまま与えるか、一旦別のものに乗せるか判断するのがよいと思います。
レオバイト
自社生産のコオロギを乾燥粉末化させた製品。
主原料ほぼそのままの製品のため、製品自体にはカルシウムやビタミンなどが入っていません。
そのため、給餌の際に粉末サプリを別途ダスティングする必要があります。
おだんごタイプとふりかけタイプがあり、おだんごタイプは凝固剤が入っているため水を加えて練って与えます。
ふりかけタイプは凝固剤が入っていないため、コオロギ粉末が100%となっています。
そのまま野菜などにふりかけて与えます。
レオバイトについては、最近名称変更がありました。
レオバイトlight → レオバイト
■【肥満生体向け(おだんごタイプ)】
レオバイトX → レオバイトダイエット
■【凝固剤なし、コオロギ粉末100%】
レオバイトPURE → レオバイトPURE【重要なお知らせ】商品パッケージと名前がかわります!
『レオパードゲッコーは何を餌に与えればいい?おすすめ人工フード紹介』まとめ
いかがでしたでしょうか?
もしこの記事を読んでいるのが虫が苦手だからレオパを買えない、と悩んでいる方でも、紹介したような商品であれば大丈夫かもしれない!と思って頂けたのであれば幸いです。
新しい人工フードの商品などは順次追加していこうと思っています。