今回はニシアフリカトカゲモドキの飼育方法を紹介させていただきたいと思います。
今回紹介するのは、あくまでいち飼育者であるわたし個人の飼育方法です。
これが飼育の正解、というわけではありませんので、実際の飼育にあたっては、いろんな飼育者さんやショップさんからのアドバイスなどを参考にして、それぞれの飼育者さんにあった飼育方法を模索していただければとおもいます。
ニシアフリカトカゲモドキの飼育方法
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ニシアフリカトカゲモドキについて
まずはニシアフリカトカゲモドキについて紹介しましょう。
ニシアフリカトカゲとはどんな生き物なのでしょうか?
ニシアフリカトカゲモドキは、その名の通りニシアフリカの西側に生息しているヤモリです。
地理的にはサハラ砂漠より南側の西部、ちょうど西側の段差になっているような地形のあたり、国としてはナイジェリアなどがあるあたりです。
そのあたりの気候は高温多湿で、雨季と乾季があります。
ニシアフリカトカゲモドキはファットテールとも呼ばれるように、むっくりした体型をしています。
名前にもあるトカゲモドキというのは一般的なヤモリの特徴がなく、一見トカゲのような特徴をもつヤモリの分類で、トカゲモドキ科の生き物です。
一般的なヤモリは瞼がなく瞳は透明なうろこでおおわれているので、目はずっと閉じられないままです。
また、両手足には壁にくっつくことができる趾下薄板(しかはくばん)があります。
一方、ニシアフたちトカゲモドキ科のヤモリたちは、瞼があるので目を閉じることができ、また両手足には趾下薄板(しかはくばん)がないので、爪を引っ掛けることができないつるつるした壁を登ることができません。
このように、見た目ではトカゲに見えることから、トカゲモドキと呼ばれています。
同じトカゲモドキにはレオパードゲッコーとも呼ばれるヒョウモントカゲモドキや、ハイナントカゲモドキ、その他にもいろんなトカゲモドキがいます。
WC個体(ワイルド個体)とCB個体(人による繁殖個体)
爬虫類をお迎えするにあたって、お迎えする個体は大きくWCとCBに分けることができます。
WCとはワイルド個体、つまり野生下で生きていた子を捕獲し、流通させているものです。
一方CBとは、人によって繁殖された個体のことをさします。
ニシアフリカトカゲモドキと一緒に紹介されることの多いレオパードゲッコーは、現在流通している個体のほとんどがCB個体ですが、ニシアフに関しては、WCもしばしばみられます。
こだわりがある方は別として、爬虫類飼育初心者さんで特にこだわりがない場合については、寄生虫や人に対しての警戒心の観点から、わたし個人としては、CB個体をお迎えすることをおすすめします。
ニシアフリカトカゲモドキのペットとしての流通は前からあったようですが、特に2020年の夏ごろから、急速に飼育者さんが増えたこともあり、繁殖するブリーダーさんも今後多くなると思いますので、ニシアフのCB個体はこれからより多くなっていくとおもいます。
また、ニシアフはオスとメスの比率で言うと、オスのほうが少ない傾向にあるようです。
同じモルフで同じくらいに生まれた子でも、お迎え時のお値段はオスのほうが高い場合もあります。
ニシアフの性格
ニシアフの性格については、レオパと比較するなら「臆病」「おっとり」などと表現されることが多いです。
私自身の飼育している子や他の飼育者さんのSNSを見ていても、シェルターに引きこもりがちであったり、レオパのようにあまり動き回ったりすることは見られない、もしくはそうなるまでに時間がかかるように感じます。
もちろん個体差がある部分なので一概に言えませんが、ハンドリングなどに期待してお迎えすると、特に最初の数か月はなかなかそういったことができない可能性が高いかもしれません。
半面、健康な個体であれば食欲に関しては強く、餌にはよく食いつきます。
飼育環境についての紹介
ケージ
わたしは、飼育開始当初はこちらの虫かごを使用していましたが、大きく育ってからはこちらのグラスハーモニーを使用しています。
飼育者さんによって、ケージの形状で感じる利用しやすさは人それぞれかとおもいます。
ケージには虫かごやレプタイルボックスなどにみられる上開きのものと、グラスハーモニーやグラステラリウムのような前開きのものがあります。
わたしは実際に飼育してみて、前開きのほうが飼育しやすく感じたので、現在は前開きのケージに統一しています。
前開きのケージのなかでも、グラスハーモニーやグラステラリウムは観音開きタイプですが、オーダーメイドのケージなどでは、スライド式のものが多いように思います。(もっとも、ニシアフやレオパなどの小型爬虫類の飼育でケージを発注する人はあまりいないようです。)
グラスハーモニーを使用する際の注意点としては、暖突(だんとつ)という暖房器具を設置できるようにしていない点です。
この後の飼育用品でも紹介しますが、爬虫類飼育では、ケージ内の温度を暖かく維持するため、上部にダントツという暖房器具を使用することが多いです。
ただ、これを使用する場合については、上部に穴が空いている必要がありますので、グラスハーモニーを使用する場合は、上部に自己責任で穴をあけるか、グラスハーモニー自体を箱などで囲い、温室をつくるか、ケージを置いている部屋自体をエアコンで温かくするかのいづれかになります。
ケージ内に設置するもの
つづいて、ケージ内に設置するものについて紹介します。
床材
まずは床材です。
床材にはいろんな選択肢があります。
幼体や体調の良くない子であればキッチンペーパーやペットシーツ、防水シートがお勧めです。
その他にも、ハスクチップや砂系・土系の床材があります。
ニシアフを飼育する場合で、キッチンペーパーなどではない床材を使用するのであれば、砂ではなくハスクチップや土系が保湿性が高いため、湿度を好むニシアフにはお勧めです。
わたしは現在、ハスクチップと防水シートを使用しています。
床材については、こちらの動画で詳しく紹介しています。
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水入れ
続いて水入れです。
できるだけ水入れは入れて置いてあげましょう。
大きさは、ニシアフが問題なく水入れに入ることができる大きさで、身体も入るくらいの広さのものが良いかとおもいます。
小さい子の場合は、できるだけ高さが低いものを用意してあげましょう。
水入れを入れておくことで、ニシアフが喉が渇いたとき、いつでも水が飲める、というのは、もちろんのこと、体が乾燥してきたときに、自分で水入れに入ることもできますし、ケージ内の湿度を多少あげてもくれます。
シェルター
続いて、シェルターです。
うちの子もそうですが、SNSなどを見ていても、ニシアフはわりとシェルターの中に籠る子が多いようにおもいます。
できるだけシェルターは入れるようにしてあげましょう。
ニシアフは湿度が高いのを好むため、可能であれば、ウェットシェルターという、上部に水をいれることで、シェルターないもしっとりと湿度がでるものを置くのがおすすめです。
上部に水入れが付いているからといって、必ずしもウェットシェルターというわけではないので、注意してください。
ウェットシェルターを入れない場合は、霧吹きや加湿器などで、ケージ内に湿度が高い場所を作ってあげるようにするとよいかと思います。
パネルヒーター
ご飯を食べたあとにお腹を温めて消化を促せるよう、パネルヒーターを設置します。
ケージ全体には敷かず、3分の1くらいの面積に敷くようにして、熱くなったらニシアフが自分で涼しい場所に移動できるようにしてあげます。
暖突(だんとつ)
暖房器具として、暖突(だんとつ)を使用することも考えましょう。
一室をエアコン管理したりしない限りは冬場などは特に必要となります。
下部に敷くパネヒと違い、こちらは上部から吊るしてケージ内の温度を高く保つために使用します。
我が家では現在一室を爬虫類飼育部屋としてエアコン管理していますので、今は使用していませんが
初期のころはこういっただんとつを使用していました。
サーモスタットという、温度が設定した温度になると自動的にだんとつをオンオフしてくれるものを併用して使用するのがおすすめです。
温度・湿度計
つづいて、温度・湿度計です。
ケージ内の温度、湿度をチェックするため、温度計と湿度計を置いて、ニシアフのお部屋が快適なものになっているかチェックしてあげましょう。
全体の温度は27~28度くらいにしておき、パネヒの上などで30度くらいになるようにしておくと良いかとおもいます。
また、湿度を好むので、部分的に湿度が80%くらいになる場所を作っておくようにしましょう。
餌
次は、餌についてです。
ニシアフは昆虫を主食としています。
飼育下では、コオロギやミルワーム、デュビアを与えることが多いです。
昆虫を与える際は、カルシュウムパウダーをまぶして与えます。
我が家では、マルチビタミンやレプラーゼなども必要に応じて与えています。
慣らされていれば人工フードも食べます。
ニシアフ専用の人工フードはありませんが、同じ食性のレオパ向けとして販売されているものを与えて大丈夫です。
「ニシアフリカトカゲモドキの飼育方法」まとめ
今回はニシアフの飼育方法を紹介させていただきました。
これからニシアフを飼育される方や、お迎えしようか迷っている方の参考になるとうれしいです。