爬虫類飼育ではメジャー種のレオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)。
そんなレオパたちのウンチ・フンの状況に悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
便秘・下痢ともなると場合によっては動物病院の先生の専門になりますので、一介の飼育者であるわたしが答えを提示することはできませんが、まだまだ情報の少ない爬虫類飼育において、何かの判断のお役に立てればと思い、当記事を投稿します。
記事の下のほうには、先日亡くなったうちのレオパードゲッコーのウンチを参考に記載しております。
レオパに限らず、ニシアフなどのレオパと近い種類の子の参考にもなるかと思います。
拙い文章ではありますがこの記事が、爬虫類を飼育する方、また、爬虫類医療を志すかたなどの参考になれば幸いです。
みなさんの爬虫類が、健康で元気に寿命を全うできますように。
レオパードゲッコーのウンチ・下痢・便秘について【ヒョウモントカゲモドキ】
元気なレオパのウンチ

元気なレオパのウンチは、上の写真のように、黒っぽい「フン」の部分と、白い「尿酸」の部分にわかれます。(写真についている茶色い粒は、出した後に付着した床材です。)
うんちは健康のバロメーターなので、ぜひ毎日観察してみてください。
便秘
毎日ご飯を食べている子であれば、基本的には毎日ウンチをします。
大人になるとご飯自体が数日に1回になるので、毎日ウンチをしないこともあります。
毎日食べていても2日ほど出ないこともたまにはありますが、餌を与えたあとうんちが出ないまま2日経過したくらいからは、うんちが出るように飼育者さんのほうで対処をしてあげてよいかと思います。
それでもうんちが出ないようであれば、腸に何かが詰まっている可能性もあります。
病院に行きましょう。
便秘時に見直すこと:お腹を温める場所があるか

レオパが便秘になったら、まずはケージの温度を見直してあげましょう。
一番暖かい場所は28度~30度くらいはあって良いかと思います。
ケージ内に広さがあるなら、ケージ内が暖かくても、プラスでパネルヒーターなど、直接お腹を温めることができる場所を作ってあげてみてください。(ケージが狭い場合は、暖突とのダブル使いだと、逆に涼む場所がなくなってしまい生体にダメージを与えてしまう場合がありますのでご注意。)
温浴をさせるのも効果的という飼育者さんの声もよく見かけます。
温浴については、うちの子たちはみんなあまり好まない(すぐにお湯から逃げる)ので、うちでは行っていません。
便秘時に見直すこと:床材

便秘が長引くようであれば、床材を疑ってみても良いかもしれません。
床材が砂やチップの場合、過剰に誤飲すると腸に詰まる可能性があります。
給餌の際に砂が餌と一緒に口に入るような環境ではありませんか?
レオパ自体に、床材を食べる(舐める)癖がありませんか?
前者のような場合は、給餌の時はケースから生体を外に出したり、餌の場所だけはキッチンペーパーを引いたりなどする必要があるかと思います。
また、後者のような子であれば、床材はキッチンペーパーやペットシーツにした方がよいと思います。
便秘時に見直すこと:餌を見直す
餌でミルワーム・ハニーワームなどを与えすぎていないでしょうか?
ミルワームばかり食べて実際に便秘になるかはわかりませんが、基本的には消化されにくい昆虫とされていますので、消化に良いものをメインに与えましょう。(栄養の面でも、ミルワームはさほど良いとはされていません。欧米ではガッドローディングさせたミルワームが主流ではあるようです。)
便秘時にやってみてほしいこと:「レプラーゼ」を使う

レプラーゼという爬虫類のお腹の環境を整えるサプリメントがあります。
カルシウムパウダーなどと同様に、餌にまぶすタイプと、水に混ぜるタイプがあります。
日頃から与えても全く問題ないとのことなので、普段からダスティングに混ぜておくとよいかと思います。
うちの子はあまりレプラーゼを好まない子が多いので、使用を控えていましたが、便秘になったときに与えたら、翌日には出ているので、単に出が悪いときの効果については個人的には信頼しています。
下痢
レオパの下痢はそんなに珍しくないと思います。(かといってしょっちゅう下痢をする、という意味ではありません)
爬虫類ショップにいっても、水っぽいうんちを出している子はよくみかけます。
(水入れを入れていないお店は、うんちに霧吹きの水がかかって、水っぽくなっている可能性があります。)
しかし、下痢は甘く見てはいけません。
寄生虫の増加によって引き起こされる下痢もあり、そうなると一般の飼育者では対処できるものではなくなります。
また、人間でもそうですが、下痢は脱水症状を引き起こします。
うちの子の場合は、脱水症状が見られたため、通院の際には病院で点滴をしてもらっていました。
こんな症状のどれかが併せて見られる場合はより注意!
・少し離れたところでもわかるくらいの臭いがする。
・吐き戻しもみられる。
・下痢がほぼ水。(腸炎を起こしている可能性も)
1・2日の少し水っぽいうんちであれば問題ない、とはいいませんが、たまにはあります。
しかし、数日続くようであれば体内の寄生虫が増えて生体に影響を与えている可能性もあります。
レオパではありませんが、うんちに違和感のあった他の爬虫類を病院に連れて行ったところ、どちらもある種の寄生虫が増えているといわれました。
もともと爬虫類はお腹の中に寄生虫がいるとされており、環境の変化や餌の変更などでそのバランスが崩れ、体調を崩すこともあります。
あくまでわたしの場合、ですが、最初の段階(水っぽいうんちが見られた当日や翌日)では、便秘の時に紹介した「レプラーゼ」を餌に混ぜてみています。
レプラーゼは普段から少量は入れていますが、生体が好まないので普段は少なめにしています。
うんちに少し異変を感じた場合は、これを通常の容量(カルシウム:レプラーゼ=1:1くらい)にしています。
レプラーゼはあくまで腸内環境を整えるものなので、下痢止めではありません。
下痢については、数日続くようであれば病院に行くことを推奨します。
特に併せて吐き戻しがある場合については、早めに病院に行きましょう。
クリプトの疑いで亡くなったレオパが生前にしていたうんちと吐き戻し
ここで、クリプトの疑いで何度か病院に通い、亡くなったレオパが生前にしていたうんちを紹介します。
クリプトの疑いの場合、病院に行く意味がない、ということではありません。
治療の末、助かった子もいると聞きますので諦めないでください!
この子はなかなか検査できる状態のうんちをもっていけなかったため、クリプトであるかどうかは疑いの域をでません。
もしかしたら先天的に消化機能に問題を抱えていたかもしれません。
まだ亡くなった子のことを書くには心の整理がついていませんが、同時にできるだけ記憶が鮮明なうちに書いておかないと、という気持ちもあり、ひとまずうんちについて焦点を当てる形で当記事に書かせていただきます。
緑色(きいろっぽい)のうんち

この子は、生前ずっと緑のような、黄色っぽいような、そんなうんちをしていました。
上の写真が、この子が出したうんちです。
下痢の時も、固まったうんちをしたときもそんな色をしていました。。
このことについては、購入したところとは別の爬虫類屋さんとの会話の中や、病院の先生にも訊いてみましたが、緑色のうんちが何かの表れか、ということについては、特に明確な答えはありませんでした。
よって、緑のうんちだからどうだ、ということは言えないので、これを見て飼育者さんが「うちの子は具合が悪いのかも!」と思う理由にはなりませんが、あくまで、実際にこういううんちをしていた、という事実をここに書いておきたいと思った次第です。
水っぽいうんち

特に具合の悪い時は、水に色がついたような、そんなうんちをしていました。
後にレオパの飼育に関する書籍を読んだとき、この子のウンチとよくにた写真が載っていましたが、腸炎を起こしているうんちとして紹介されていました。
確かにこの子も、病院で症状の酷い時は駆虫ではなく、炎症を抑える薬を貰っていたので、身体の中で消化器官が炎症を起こしていたのでしょう。
下痢については、こちらの本の139ページに記載されています。
レオパの飼育上、わたしがとても参考になると感じている一冊です。
いつもの場所ではないところでうんちをする
さらに具合が悪い時には、いつものウンチの場所ではないところでだしてしまっていました。
特に本当にしんどそうな末期の時には、寝床の中で出してしまっていることもありました。(レオパはケージを洗ったりレイアウトを変えたりしない限りは、いつも決まった寝床から離れた場所にウンチをします。)
臭いがキツイ
この子が下痢をしたときは、とても匂いがきつかったです。
他にレオパ含め4匹のヤモリがいますが、その子たちのウンチからすればごく少量でも、2メートルくらいの距離でも異臭に気付くときもありました。
吐き戻し

この子はよく吐き戻しをしていました。
上の写真は、滋養を付けるために与えたときのハニーワームの吐き戻しです。
ハニーワーム自体はコオロギに比べると消化に悪いですが、とにかく食べるものを、ということで与えました。
なかなか食事をしない子だったので、なにか食べたときにはそれだけで喜んだものですが、翌日には下痢と吐き戻しをして落胆したことも多かったです。
病院でうんち検査をする場合
動物病院で行われる検査は、ウンチを「見る」ものが多いと思います。
病院でうんち検査をする場合は、乾いていない状態のものが必要となります。
数日前のウンチなどでは、検査ができない場合もありますので、できるだけ当日のウンチを採取してもっていきましょう。
また、検査が「見る」ものなので、寄生虫を100%見つけられるわけではありません。
そもそも、寄生虫は爬虫類の体内にはいるものです。
その中で、爬虫類の健康を損ねるレベルで増殖したり、悪さをしているものを駆除しなくてはいけません。
うちの子の場合もそうでしたが、寄生虫がみつからなくても、駆虫薬を使っての治療を始めることもあります。
そのあたりはもはやいち飼育者のわたしが説明できることではないので、病院の判断となります。
「レオパードゲッコーのウンチ・下痢・便秘について - 亡くなった子が生前にしていたうんちと吐き戻し」のまとめ
今回は、実際のうちで飼育していた子のことも記載させていただきました。
最初にも書かせていただきましたが、拙い文章ではありますがこの記事が、爬虫類を飼育する方、また、爬虫類医療を志すかたなどの参考になれば幸いです。
みなさまの大切な爬虫類たちが健康でありますように。


